事業再構築補助金⑤(補助額や補助率の分類)

事業再構築補助金は従業員数や提出する枠の種類によって補助額や補助率が変わってきます。
今回はそれらの種類を紹介していきます。

通常枠

従業員の少ない事業者を対象とした一般的な枠になります。

補助額

中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数20人以下】100万円~4,000万円
【従業員数21~50人】100万円~6,000万円
【従業員数51人以上】100万円~8,000万円

補助率

中小企業者等:2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等:1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)

卒業枠

400社限定の枠になります。事業計画期間内に、①組織再編、②新規設備投資、③グローバル展開のいずれかにより、資本金又は従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠。
該当する事業者は少ないため、頭の片隅に入れておくだけで良いでしょう。

グローバルV字回復枠

100社限定。売上高が15%以上減少しており、グローバル展開を果たす事業を通じて、付加価値額年率5.0%以上増加を達成することを通じてV字回復を果たす事業者向けの特別枠。

大規模賃金引上枠

従業員数が101人を超える事業者の枠となります。(150社限定)
①補助事業実施期間終了時点を含む、事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引き上げること。
②補助事業実施期間終了時点を含む、事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、従業員数を年率平均1.5%以上(初年度は1.0%以上)増員させること。
以上の2点が条件となりますが、最大1億円の補助額となるため従業員の多い事業者にオススメです。
「大規模賃金引上枠」に申請して、不採択となった場合も「通常枠」で再審査されます。

補助額

中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数101人以上】8,000万円超~1億円

補助率

中小企業者等:2/3 (6,000万円を超える部分は1/2) 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)
中堅企業等:2/3 (6,000万円を超える部分は1/2) 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)

緊急事態宣言特別枠

緊急事態宣言により深刻な影響を受け、早期の事業再構築が必要な中小企業等については、補助率の高い「緊急事態宣言特別枠」を申請する事が可能です。「特別枠」は、優先的に審査される利点もあるため積極的に活用したい枠となります。
また、「特別枠」で不採択となったとしても、加点の上「通常枠」で再審査されます。
※「通常枠」のみで申請された場合でも、一定の加点措置を受ける事が可能です。

条件

通常枠の申請要件を満たし、かつ、緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、令和3年1月~9月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少している事業者※※売上高の減少に代えて、付加価値額の45%減少でも可。

補助額

中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数5人以下】 100 万円 ~ 500 万円
【従業員数6~20 人】100 万円 ~ 1,000 万円
【従業員数21人以上】100万円 ~ 1,500万円

補助率

中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3

最低賃金枠

最低賃金の引き上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に状況が厳しい中小企業等を対象とした「最低賃金枠」。
通常枠と比べ、補助率の引き上げだけでなく、「緊急事態宣言特別枠」に比べて採択率において優遇されます。
「緊急事態宣言特別枠」同様、「最低賃金枠」で不採択となった事業は「通常枠」で再審査されます。

条件

①2020年10月から2021年6月の間で、3か月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること。
②2020年4月以降のいずれかの月の売り上げが対前年または、前々年の同月比で30%以上減少していること。
※売上高の減少に代えて、付加価値額の45%減少でも可。

補助額

中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数5人以下】 100 万円 ~ 500 万円
【従業員数6~20 人】100 万円 ~ 1,000 万円
【従業員数21人以上】100万円 ~ 1,500万円

補助率

中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3

まとめ

今回は補助額や補助率、採択の有利度が左右される「枠」について解説させていただきました。

特に緊急事態宣言特別枠は採択が有利になる上に現状多くの方が当てはまると思いますので、「枠」を検討する際には、自社が条件に該当するのかまず確認してみると良いでしょう。

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